Concinnum tenが寄生するテン膵管の病理学的所見

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タイトル別名
  • Pathological Findings on Pancreatic Duct of Japanese Marten Parasitized by Concinnum ten
  • Concinnum ten ガ キセイスル テン スイカン ノ ビョウリガクテ
  • Concinnum ten ガ キセイスル テン スイカン ノ ビョウリガクテキ ショケン

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抄録

宮崎県下に生息するテン(Martes melampus melampus)の膵管には,小型の吸虫であるConcinnum ten (Yamaguti, 1939) が極めて高率に寄生する.寄生膵28例について観察の結果,寄生数は1頭当り数100匹から1,000匹以上の多数の場合が多い.これら多数の虫体の寄生によって膵管は著しく拡張するが,管壁の肥厚は割合に軽い.粘膜の病変は一般にmildであり,虫体の圧迫により上皮が磨耗平坦化するか,あるいは短乳し状の腺性増殖と若干の陰窩形成をみる程度で,細胞浸潤は軽い. これを要するに, C.ten症の病理像としては, 虫体の器械的作用に基づく変化が主であり,炎症性変化はあまり目立たない.ただし病変そのものは軽くても,膵管の閉塞により膵液分泌が著しく阻害されるので,臨床上の悪影響は免れえないであろう.

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