結氷時の感潮域におけるADCP を用いた流量観測手法

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  • ケッピョウジ ノ カン チョウイキ ニ オケル ADCP オ モチイタ リュウリョウ カンソク シュホウ

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抄録

河川の流量は、流域全体の水資源計画を策定する上で重要な基礎資料である。流量の観測手法を確立するためには、その場所における水理現象を解明する必要がある。結氷時の感潮域においては、結氷時の観 測の困難さ、感潮域の複雑な流況のために、水理現象が十分に解明されているとは言い難い状況にある。 このため結氷時の感潮域における流量の観測手法は、水理現象を解明した上での手法となっていない。本研究は流量観測手法の開発を念頭に置き、結氷時の感潮域における現地観測を行い、水理現象の解明およ び流量観測に関する知見を得ることを目指している。得られた知見は以下の2点である。1)今回の常呂川における観測結果から、感潮域の非結氷時で成立する流量推定式(佐藤、中津川)は、感潮域の結氷時 においても成立する可能性があると分かった。また流量推定式の係数が、結氷時と非結氷時で異なる事が明らかとなった。2)結氷時の感潮域においてADCP の測定時間を長くしても、その観測期間の横断面 流量の精度は向上しない。またADCP の測定時間の違いによる平均流速の違いは、小さいという事が分かった。今回の天塩川における検討結果から、非定常流れである結氷時の感潮域においてADCP の測定 時間を1測定当り10秒とすれば、ある瞬間の横断面内の平均流速に近づき、その観測期間の横断面流量の精度が向上する事が分かった。

収録刊行物

  • 寒地土木研究所月報

    寒地土木研究所月報 642 9-16, 2006-11

    国立研究開発法人 土木研究所 寒地土木研究所

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