日本における新型コロナウイルス感染症の計量分析

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タイトル別名
  • Econometric Analysis of COVID-19 in Japan
  • ニホン ニ オケル シンガタ コロナウイルス カンセンショウ ノ ケイリョウ ブンセキ

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抄録

本稿では,まず,日本における新型コロナウイルス感染症の実効再生産数Rtをカルマンフィルターで推計し,次に推計された実効再生産数Rt を利用して,OxCGRT の指数系列と時変係数回帰を行い,時変係数で感染症対策の効果を定量的に評価する.最後に,時変係数回帰から得られた係数系列とOxCGRT の対策インディケータ系列に対して,ステップワイズ回帰分析を行い,日本では具体的にどのような感染症対策が効いているかを識別する.本稿の分析から以下の結論が得られている.緊急事態宣言という一連の感染症対策は基本的に感染の抑制に効いていることが確認されているが,しかし,感染の流行が長期化して,緊急事態宣言の効果が次第に衰弱してきていることは時変回帰の結果から明らかになっている.ステップワイズ回帰の結果を見る限り,具体的に,隔離や移動制限のような感染症対策はその有効性が高いが,公共衛生関係の対策はそれほど効果を示していないということも言える.また,経済支援対策は,統計的に感染症流行の抑制に効果が出ているという結果も得られている.

収録刊行物

  • 経済学季報

    経済学季報 71 (2), 35-57, 2021-10-22

    立正大学経済学会

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