保護者支援における保育士の抱える困難感のフェーズを探る-保育士による保護者支援のための文献研究-

書誌事項

タイトル別名
  • Exploring the Phases of Difficulties Experienced by Nursery Teachers in Supporting Parents: A Literature Study of Nursery Teachers' Support for Parents

説明

保護者支援における保育士の困難感を文献研究から理論的に探究する基礎的研究として、保育士と保護者との関係性の変容という観点から、保育士の困難感のフェーズを明らかにしていくことを目指した。その結果、関係構築期には、「保護者および保育士の特徴・性格に起因する躓き」および「保育士が保護者に子どもの姿を伝達することに伴う難しさ」、関係葛藤期には、「保育および子どもに関する相互理解がすれ違ってしまうことによる困難感」および「子どもの最善の利益と保護者の意思尊重との板挟みによる困難感」、関係困難期には、「保護者からの信頼感が失われてしまった状況」という3つのフェーズにおける保育士の困難感の仮説モデルを提唱した。各フェーズにおいて活きる保育士の専門性として、「コミュニケーション」、「相互理解」と「子どもの最善の利益」「ソーシャルワーク」をそれぞれ挙げたが、十分に発揮できていない状況がありうることを述べた。また、保護者との関係性によらないものの、「保育システム」および「社会背景」という保育士の困難感を生じさせる要因についても指摘した。

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