大阪府の「八尾バル」における地域特産野菜を用いた地産地消の取組み

書誌事項

タイトル別名
  • Efforts on Local Production of Local Consumption Using Local Specialty Vegetables in “Yao Bar”, Osaka Prefecture.
  • オオサカフ ノ 「 ヤオ バル 」 ニ オケル チイキ トクサン ヤサイ オ モチイタ チ サンチショウ ノ トリクミ

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抄録

日本では,人口減少に伴う都市の縮退への対応が喫緊の課題となる中で,都市における農業が見直され,都市農地の保全が必要とされてきている.一方,中心市街地の活性化も課題となっている.このような状況の中,街を飲み歩くイベントであるバルイベントが中心市街地の活性化策として注目されている.本稿では,大阪府の「八尾バル」を事例に,地産地消の取組みを調査し,地域特産野菜の地産地消をコンセプトとしたバルイベントの成立の背景を,特産野菜の生産と地産地消の取組みという観点から明らかにすることを目的とする.八尾市は,都市の中においても野菜生産が盛んな地域として維持されてきており,エダマメや若ゴボウといった地域特産野菜が現在でも生産されている.八尾バル実行委員会は,自発的に活動を行っている組織であり,地方公共団体等からの制約を受けずに地産地消をコンセプトとしたバルイベントを受容する飲食店だけが参加できるようにしている.この2つを背景として「八尾バル」における地域特産野菜の地産地消が成立していることが明らかとなった.また,このことは,「八尾バル」が他のバルイベントとの差別化を図り,継続開催を可能にしてきている要因の一つになっているとも考えられる.

臨時増刊号

特集「バルイベントを通じた地域の活性化」

研究ノート

収録刊行物

  • 地域研究

    地域研究 58A 28-40, 2017-12-25

    立正地理学会

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