書誌事項
- タイトル別名
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- Hearn and Spiritualism
- ハーン ト スピリチュアリズム
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説明
日本人の中に息づく祖先崇拝の倫理的基盤を形づくっているものは,祖霊に対する愛の感情であり,死者は常に生者の身のまわりに存在しており,生きている者は死者に対して常に愛をささげるのである。無限の宇宙にまで連なる生命の遺伝的連鎖が愛を生み出すので,利己的な欲望は抑制されて,無私,自己犠牲といった感情が生じるのである。女性の優しさー母性愛といった普遍の無限の感情は数えきれないほどの亡くなった母が象徴的な一人の母の中によみがえってくるのである。従って,「個」というものが解体し,消え失せても永遠に遺伝的連鎖によって生命の尊さを教えてくれるのである。人類は時を経てつながっているのである。
収録刊行物
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- 拓殖大学語学研究
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拓殖大学語学研究 146 101-135, 2022-03-25
拓殖大学言語文化研究所