「発達障害」用語の揺れ幅について

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本来,共通理解を持つことに役立つ「発達障害」という用語や各発達障害名であるが,専門性や立場によって認識の相違がある。そうした揺れ幅が生じる背景を整理し,発達障害児・者の支援につながる理解を深めることを目的とした。「障害」という語の響きから生じる情緒的な意味合いを含むニュアンスの問題や,環境との関係性の問題を捉えることの重要性が示された。また,発達障害に関する診断名称を「科学的な名称と感じがち」(兼本, 2020)であることや操作的診断基準による診断名称であることを再認識し,一人一人と向き合って理解していくプロセスから心理臨床の営みを確認した。そして,専門用語などで表される言葉の「意味」の回路ではなく,「音」という感覚的なsympathyが,発達障害のある子どもと共にいるときに大切な交感を生む回路となり得ることを,自験例を示しながら検討した。

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