先天性高インスリン性低血糖症を認めた 9 p-症候群の姉妹例

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タイトル別名
  • A SIBLING CASE OF CHROMOSOME 9P- DELETION SYNDROME WITH CONGENITAL HYPERINSULINEMIC HYPOGLYCEMIA

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抄録

症例は日齢22の女児,第 4 子.在胎37週 5 日に胎児機能不全のため緊急帝王切開術で,2,487gで出生した.出生後から低血糖が遷延し,低血糖中の血清インスリン高値から先天性高インスリン性低血糖症と診断した.日齢 8 からジアゾキシドを開始し,低血糖の改善をみて日齢18に終了し,当院へ転院となった.転院後に再び低血糖を認め,日齢36からジアゾキシドを再開した.血糖の安定をみて日齢62に終了した.その後は低血糖を呈さなかった.同胞第 3 子は 9 p-症候群と診断され,ジアゾキシドの奏功した先天性高インスリン性低血糖症を認めていた.顔貌の特徴及び臨床経過が同胞第 3 子と類似したために出生後に遺伝子検査を行い,遺伝学的に 9 p-症候群と診断した.本姉妹例から, 9 p-症候群の臨床症候として先天性高インスリン性低血糖症を呈する可能性が考えられた.また, 9 p-症候群に伴う高インスリン性低血糖症はジアゾキシドへの反応性が良好である可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 横浜医学

    横浜医学 73 (1), 17-20, 2022-04-30

    横浜市立大学医学会

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