アセトアミノフェンによる尿細管間質性腎炎の一例

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特記すべき既往のない若年女性が,アセトアミノフェン(以下,APAP)による急性尿細管間 質性腎炎を来した一例を経験した.症例は 25 歳女性.感冒症状に対し,使用歴のある市販の総合感 冒薬を服用したところ症状は改善した.2 週間後に気分不良を認め,市販の胃腸薬を服用したが改善 なく近医を受診した.BUN 51.8mg/dl,血清 Cr 7.23mg/dl と腎機能障害を認め当院紹介となり,第 4 病日に腎生検を施行し第 5 病日にプレドニゾロン(1mg/kg)で治療を開始した.腎生検では急性尿 細管間質性腎炎の所見を認め,間質の線維化は軽度であった.第 15 病日に薬剤リンパ球刺激試験を 施行したところ,総合感冒薬と含有成分の APAP は強陽性,胃腸薬は陰性であった.5か月後には血 清 Cr 0.9mg/dl まで改善し,APAP による急性尿細管間質性腎炎と確定診断した.今回,原因を特定 できたことは,再発防止の観点からも有意義である.

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