免疫チェックポイント阻害剤による1型糖尿病の臨床的特徴およびリスク因子

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  • Clinical characteristics and risk factors of Type 1 diabetes mellitus induced by immune‐checkpoint inhibitors

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抄録

【背景】 免疫チェックポイント阻害剤(ICI)は,画期的な癌治療薬であるが,免疫関連有害事象として1型糖尿病(ICI-T1DM)が発症することがある.ICI-T1DMは重症疾患であるが,そのリスク因子は不明である. 【方法】 ICI-T1DMのリスク因子を明らかにするため,我々はその臨床経過を評価し,HLA-DRアリルおよびそのアミノ酸配列を検討した. 【結果】 8名がICI-T1DMと診断された.発症時に随時血糖が400 mg/dl以上に急激に悪化していた.7名が,ケトーシスあるいはケトアシドーシスを呈した.随時血中Cペプチド値は,全ての患者において1か月以内に測定感度以下となった.ICI-T1DM患者はコントロール患者と比較して,HLA-DRβ1鎖86位のアミノ酸(β86)がG:グリシンの頻度がV:バリンの頻度よりも有意に増加していた(P=0.042,オッズ比 5.13). 【考察】 ICI-T1DMはT1DMとF1DMの混合あるいは中間の発症様式を有し,β86GがICI-T1DMの新規リスク因子であることが明らかとなった.

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