社会科における未来を創造する力を育む「未来探求学習プログラム」の開発―小学校第3学年小単元「店ではたらく人びとのしごと」を例に―

書誌事項

タイトル別名
  • Development of “Learning Program for the Envisioning the Future” that Fosters the ability to Create the Future in Social Studies: Example of the Unit for Third Graders on “The Work of People Working in the Store”
  • シャカイカ ニ オケル ミライ オ ソウゾウ スル チカラ オ ハグクム 「 ミライ タンキュウ ガクシュウ プログラム 」 ノ カイハツ : ショウガッコウ ダイ3 ガクネン ショウタンゲン 「 ミセ デ ハタラク ヒトビト ノ シ ゴト 」 オ レイ ニ

この論文をさがす

抄録

本研究の目的は、従前の小学校社会科で実践されてきた知識や概念を獲得する授業構成に加え、未来型思考を組み込んだ学習プログラムを示し、そのプログラムにもとづいた授業モデルを提案することである。予測困難な社会の変化の中で生活している現代の子どもたちは、未来に対して希望を持てていない。それは、情報があふれる中で、来るべき未来が決まっていると考え、その未来もディストピア的な未来像が多いからである。このような現状に対して、イギリスのDavid Hicks(デイビットヒックス)の論に依拠し、5つのfutures skillsからなる未来型思考の手順を従来の社会科の授業展開に組み込んだ。複数の未来を創造した上で、希望の未来を選択・決定し、その未来のシナリオを書くという未来を探求する学習プログラムを示した。このプログラムに従って、第3学年単元「店ではたらく人びとの仕事」の授業を開発した。スーパーマーケットを例に、消費者の願いと販売の仕事、売り上げの関係性を学び、新たな問題として買い物難民について考えた上で、未来の販売の仕事について創造し、価値判断・意思決定を行う授業モデルを示した。学習指導要領が求める「予測困難な社会に主体的に関わり、未来を創っていく」という目標に迫る新たな社会科の授業モデルとして提案することができた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ