住宅型有料老人ホーム入居者の余暇活動と健康生成力の相関関係

書誌事項

タイトル別名
  • The Correlation between Leisure Activities and Sense of Coherence among Assisted Living Persons

この論文をさがす

抄録

将来の入居者の介護重度化予防の観点から,住宅型有料老人ホーム入居者の余暇活動の取り組みの現状を把握し,各余暇活動と健康生成力の関連を明らかにすることを目的とした.  東京都内の住宅型有料老人ホーム入居者を対象に自記式質問紙調査を 2020 年 8 月 1 日~ 9 月 30 日に実施した.倫理的配慮は事前に調査先である社会福祉法人の倫理審査委員会および個人情報保護規定による審査を受け承認された.余暇活動は 30 項目を選び実施頻度を 5 件法の順序尺度で調査した.健康に関する質問はアントノフスキー(1987)の作成した健康生成力 SOC-29 日本語版 7 段階評価を使用した.余暇活動と健康生成力の項目に対して因子分析を行い,因子負荷量の高い因子を抽出しその項目間の相関分析を行った.  結果は有効回収数 102 名で,頻度の高い余暇活動はテレビ,パソコン,親戚や友人との会話で伝統的な趣味的種目は低調であった.分析後の余暇活動では 9 因子 18 項目,健康生成力 7 因子 19 項目が抽出され,体操,舞踊・ダンス,ボランティア活動,手芸,海外旅行などの相関が認められた.またこれらの活動には人とのつながりが共通してあることが分かった.  今後,当該施設などでの健康づくりにはこれらの項目や人とのつながりを工夫することが推奨される.健康生成力の中でも重要な有意味感を大切に複数の活動に取り組むことや,生活の変化と入居者の余暇活動への趣向の変化に対応することも重要である.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ