新学習指導要領における「思考力」目標と学習

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  • Searching for the Meaning of the goal of "Thinking" in the Japan’s Course of Study Issued in 2017

抄録

新学習指導要領(平成29年告示)は、「思考力」を主要教育目標の一つとして明記し、画期的な一歩を踏み出した。思考力は、主に「批判的思考(critical thinking)」という言い方で、デューイなどにより、進歩主義教育の中心的な目標に据えられてきたものである。カリキュラム理論では、リチャード・ポウルのような批判的思考のグループやリン・エリクソンのような「概念型思考」というような構造化を図っている実践家がいる。他方、プラグマティズムの中では、チャールズ ・ パースの「アブダクション」(仮説的推論) の概念があった。それは、帰納でもない、演繹でもない、仮説を構成する思考の中核として、行きつ戻りつの思考過程として捉えている。さらに、この思考過程には、帰納法的な仮説検証の段階から、演繹的な創造的想像力を必要とするもの、さらには、J. ブルーナーの「発見学習」論のように直観的な発見的なひらめきのような学習理論がある。「思考力のカリキュラム」は、帰納と演繹ばかりでなく、この飛躍の過程をより重視し、その生まれる過程には何があるのかが探究されるべきである。そして、その具体例の追究が求められている。

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