曲面モデリングにおける大域的幾何拘束

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  • Global Geometric Constraints for Surface Modeling

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抄録

曲面モデリングの一つの目標は、デザイナーが、様々な形状の曲面を、自分の思い通りに操作して、目的の性質をもつ曲面を作成できるようにすることである。曲面モデラーにおいて、現在最も広く用いられている曲面は、Bezier曲面、Bスプライン曲面のようなテンソル積スプライン曲面である。この様式では、曲面を定義している制御点を直接操作することにより、曲面が変形される。制御点を引っ張ると曲面がその近くで局所的に膨らみ、制御点を押すと曲面がその近くで局所的に凹む。したがって、実際の変形操作とそれに対する曲面の応答とが直感とよくあう。また対変形に局所性があるので、曲面形状の細かい制御が可能である。しかしこの様式のもとで、全体的に「平ったくせよ」とか「丸くせよ」というような大域的な変形が要求されたときには、非常に多くの制御点の位置決めが必要になる。したがって、曲面全体の形状を自動的に制御する手法の開発が望まれる。曲面モデリングでは、様々な幾何拘束が要求される。それらは大きく2つに分類される。まず1つめは、デザインする曲面が補間しなければならない幾何データー(空間内の有限個の点や曲線、また、それらの点において、その曲線上において与えられた法ベクトル等)を指定するものである。次は、デザインする曲面全体の形状の特徴を指定するものである。後者を、曲面モデリングにおける大域的幾何拘束と呼ぶことにする。通常、大域的幾何拘束はエネルギーの言葉で表現される。様々なエネルギーが提案されているが、曲面の大域的幾何構造の直接制御により、曲面形状の広範な操作を目指したものはない。本報告では、曲面全体の形状を自動的に制御するために、曲面の大域的幾何構造の直接制御を行う。

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