携帯型加速度・照度センサによる部屋からの退出推定手法

説明

現在,オフィス内などでの入館証・社員証などは,そのほとんどがICカードでの運用が主流となっている.ICカードによる入退出認証の場合,入口の壁などに専用のカードリーダー等を設置して行うことが一般的である.しかし現実にはオフィスでは入室時のみしか認証を行わないケースが多く,その場合,その部屋に入室したことは判断できても,その後いつ部屋から退出したかを知ることはできない.しかし,退出時にもカードリーダーを利用するとなると人間の手間も増えることになり面倒である.さらに,カードリーダーや空調,照明などのスイッチ等を壁に多く取り付けるような行為は,コストも多くかかり,景観を損なうことにもつながる.そこで我々は,携帯情報端末に搭載された加速度センサおよび照度センサから得たデータを使用し,人の退室を判断する手法を提案する.今回我々は,部屋からの退出時に起こる周囲の環境変化および,退室者の行動情報から,退出を判定できるかどうかの実験を行った.人間は基本的に,止まっている状態では退室行動を行えないと考えられる.提案手法は,加速度データから取り出した特徴量から歩行のデータのみを判別して抽出し,そのデータの中で照度の特徴量を見てさらに退室のデータを判別するというものである.提案手法を用いて機械学習を行った結果,被験者でデータを区別した場合の判別結果が87.60%という結果となり,もっとも高い結果であった.

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