災害時における携帯電話基地局の電池残量を考慮したカバレッジ最大化のためのセルサイズ制御手法

説明

災害などによる停電時においても携帯通信網を維持するため,多くの携帯電話基地局にはバッテリが搭載されている.24 時間駆動可能な大容量バッテリの設置も進められているが,設置可能な場所が限られるため,全ての基地局に設置することは難しい.したがって,適切に消費電力制御を行うことで被災地域内に存在する基地局の限られたバッテリ残量をできる限り有効に利用することが求められる.そこで本研究では,与えられたユーザ分布の予測に基づき時空間的なユーザカバレッジを最大化するための基地局のセルサイズ制御法を提案する.本問題は整数線形計画問題として定式化可能であるが,ユーザ数や基地局数が増加すると実時間で解くことができない.このため,消費電力あたりのユーザ数を基準とした貪欲法に基づくヒューリスティックなアルゴリズムを考案した.提案手法の性能を評価するため2.4km2 の領域に約 5700 人のユーザが存在する都市部を想定したシミュレーションを行った.その結果,平均 348.25秒で解の導出が可能であり,セルサイズの調整を行わない場合と比較してカバレッジを平均 11.5%増加させることができた.

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