エンタープライズ系ソフトウェアの重大度別信頼性への質的影響要因の分析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Qualitative Factors that Affect Reliability of Enterprise Software for each Severity Level of Failures

抄録

IPA が収集したエンタープライズ系ソフトウェアプロジェクトデータを分析することにより,新規開発ソフトウェアの信頼性,具体的には稼働後不具合数に影響を与える質的要因を不具合の重大度別に明らかにした.いずれの重大度レベルでも稼働後不具合数がゼロの値をもつプロジェクトが 1/3 以上占めるため,すべての変数を対数化して線形回帰分析を行うという方法は適用できない.そこで経済学や社会学などで用いられている負の二項回帰モデルを用いて分析した.分析の結果,重大度レベルによって信頼性に与える影響要因が異なることがわかった.重大な不具合を減少させるためには,計画段階での品質目標の実行可能性の検討とユーザ担当者のシステム経験が重要な役割を果たす.中度の不具合を減少させるためには,設計支援ツールやデバッグテストツールの利用,ユーザ担当者による受け入れ試験への十分な関与,開発要員全員の分析・設計に関する十分な経験,スキルレベルの高いテストチーム,信頼性,移植性への高い要求レベルが重要な役割を果たす.開発要員全員の分析・設計に関する十分な経験は軽微な不具合も減少させる.金融・保険業のソフトウェアは重大な不具合と軽微な不具合が少ない.2 階層クライアント・サーバ上のソフトウェアは中度の不具合が少ない.これらの分析結果は,合計不具合数に対する分析結果と併せることにより,信頼性向上の視点からのプロセス改善に役立てることができる.

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050574047104715520
  • NII論文ID
    170000185263
  • Web Site
    http://id.nii.ac.jp/1001/00212593/
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    conference paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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