テストケースの事前条件として適切なDB初期状態の状態数とデータサイズを削減する手法の提案
説明
本研究は,関係データベース (DB) を用いる業務システムの機能性に関する結合テストを対象として,DB への参照を行う各テストケースに対し,事前条件として適切な DB 初期状態を自動生成する問題を扱う.既存手法では,それぞれのテストケースごとにテストケースの事前条件として適切な DB 初期状態を 1 つずつ自動生成しているため,2 つの問題点があった.1 点目は,DB 初期状態がテストケースごとに生成されているため,テスト実施時に多くのテストケースに対して,テストケースごとに DB 初期状態を入れ替える労力がかかる点である.2 点目は,多くの DB 初期状態が生成されると結果としてレコードの合計件数が多くなり,DB 初期状態全体のサイズが大きくなるため,テスト資材の版管理や,オフショア先とのデータ送受信といったデータ管理のコストが大きくなってしまう点である.本研究ではこのような問題点を解決するため,複数のテストケースで共有できる DB 初期状態を自動生成する手法を提案する.提案手法では,DB 初期状態の数と DB 初期状態全体のサイズをなるべく小さくするための技術課題として,テストケースグルーピング,レコード配置決定,DB 初期状態値制約生成の 3 つ挙げ,それぞれの課題への解法を考案した.業務システム 3 件を用いて提案手法と解法の適用評価を行ったところ,既存手法に対して DB 初期状態数を 23%に削減,DB レコード件数を 64%に削減でき,提案手法の有効性を確認することができた.
収録刊行物
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- ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2016論文集
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ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2016論文集 2016 135-146, 2016-08-24
情報処理学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050574047123860864
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- NII論文ID
- 170000173388
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles