<論文>古英語詩『ベオウルフ』と『創世記A』における‘day’と‘night’の副詞的用法と前置詞句の対立 --その語彙的傾向--

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  • 中西, 志門
    京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • <Originals>The adverbial use of ‘day’ and ‘night’ in Old English poems “Beowulf” and “Genesis A” and their contrast to prepositional phrases : Towards an explanation for their lexical tendency
  • 古英語詩『ベオウルフ』と『創世記A』における'day'と'night'の副詞的用法と前置詞句の対立 : その語彙的傾向
  • コ エイゴシ 『 ベオウルフ 』 ト 『 ソウセイキ A 』 ニ オケル'day'ト'night'ノ フクシテキ ヨウホウ ト ゼンチシク ノ タイリツ : ソノ ゴイテキ ケイコウ

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抄録

古英語は名詞に4つの格(主格, 属格, 与格, 対格)を有し, そのうち主格以外の全てが副詞的に機能し得た. このような名詞の副詞的用法に関する先行研究は極めて限定的であり, 曲用形ごとの意味, 機能的違い, 前置詞句との競合関係は十分に明らかにされていない. 現代英語を対象とした研究でも指摘されているように, 名詞の副詞的用法は語彙的に限定的である. 古英語においても時を表す語彙の多くは副詞的格か前置詞句のどちらかのみで用いられる傾向があるなかで, dæg‘day’とniht‘night’の2語はいずれの用法でも頻繁に用いられる. そのため, 本論文は古英語における各表現の用法の違いを明らかにするため, この2語に対象を絞って用例の分析を行う. その結果, この2語が特に複数与格で異なる振る舞いを示すことを明らかにする. また, その傾向の違いは, 2語の音節構造の違いとそれに伴う韻律的要請によって説明できることを指摘する.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 30 113-123, 2021-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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