発達障害をもつ成人女性の困難と対処行動 ─内容分析による検討─

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  • ハッタツ ショウガイ オ モツ セイジン ジョセイ ノ コンナン ト タイショ コウドウ : ナイヨウ ブンセキ ニ ヨル ケントウ
  • A study of the difficulties and coping behaviors in adult women with developmental disorders by using content analysis

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〈問題と目的〉発達障害においては,Lazarus & Folkman(1984)のストレスモデルを適用すれば,適切な対処行動をとれば,二次的問題を軽減させると考えられる。本研究では,成人発達障害の女性における,困難とその対処について調べた。 〈方法〉精神科に通院中の成人発達障害女性に質問紙調査を行い,20例(平均年齢33.5歳)を対象とした。「普段の生活」「人間関係」「学校・職場」の3つの場面別に困難とその対処があれば記述し,内容分析を行った。 〈結果〉発達障害の分類では,ASD(Autism Spectrum Disorder)群6名,ADHD(Attention-deficit/Hyperactivity Disorder)群9名,ASD・ADHD 併存群5名であった。内容分析の方法は,「普段の生活」「人間関係」「学校・職場」の質問項目を大項目に設定して,得られた回答を中項目,小項目に分類した。3群ともに,「作業・時間管理」「掃除・片付け」の困難が見られた。「人間関係」では,嫌な顔をされる,信用されない,馬鹿にされる等強い苦しみを訴えていた。その他「睡眠」「感覚異常」の項目も見られた。対処スタイルでは,「普段の生活」「学校・職場」においては問題解決型対処スタイルが多いが,「人間関係」では,対処がない,あるいは回避的対処スタイルが多かった。 〈考察〉成人発達障害の女性は,多くの困難を感じている。対処行動に焦点を当てた支援が必要と考えられるが,一方で人間関係の困難については,対処行動の難しさがあることから本人の内面に焦点をあてた支援も重要であろう。

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