愛知県で検出されたコクサッキーウイルスA6型(CV-A6)の解析

書誌事項

タイトル別名
  • Virological analysis of coxsackie virus A6 detected in Aichi Prefecture
  • アイチケン デ ケンシュツ サレタ コクサッキーウイルス A6ガタ(CV-A6)ノ カイセキ

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説明

A群コクサッキーウイルスは、感染症発生動向調査対象疾病の手足口病やヘルパンギーナの主な病原ウイルスの1つである。コクサッキーウイルスA6型(CV-A6)はヘルパンギーナの主要な病原ウイルスとして知られていたが、2008年以降、国内外の手足口病患者からの検出が多数報告されている。本県で検出したCV-A6の分子疫学解析の結果、臨床症状がヘルパンギーナから手足口病へ変化した2009年を境にウイルスの構造タンパク質領域、非構造タンパク質領域のいずれも別々のクラスターを形成しており、ウイルスの遺伝子変異が症状に影響を及ぼしている可能性が考えられた。手足口病の原因ウイルスは複数報告されるが、検出されたCV-A6の遺伝子解析の結果、検出数の多い年にクラスターが複数分類されることが明らかとなった。遺伝子解析により血清型別の情報だけでは把握することのできない国内、海外に由来する遺伝子性状の異なる複数のCV-A6が県内に持ち込まれ、同時流行により患者数が増加する可能性が推測された。県民のCV-A6抗体保有状況を調査した結果、保有率は比較的高く、また各年齢層において抗体価が高いことから、近年のCV-A6流行により多くが抗体を獲得したと推測された。本県分離株の病原性を検討する目的でマウスに接種したところ病原性の異なる株の存在が明らかになった。今後の継続研究によりヒトにおける病原性指標となる抗原性の解析が期待される。

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