開発途上国を生産地とした日本市場向け冷凍野菜のフードバリューチェーン分析 : ミャンマーの事例での主な課題

書誌事項

タイトル別名
  • Food value chain analysis of frozen vegetables produced in developing countries for the Japanese market : Issues in the Myanmar case
  • カイハツ トジョウコク オ セイサンチ ト シタ ニホン シジョウ ムケ レイトウ ヤサイ ノ フードバリューチェーン ブンセキ : ミャンマー ノ ジレイ デ ノ オモナ カダイ

この論文をさがす

抄録

先進国市場向け農産品を開発途上国で生産加工するフードバリューチェーンの競争戦略を考える際には,農企業・契約農家の価値活動だけでなく,生産加工地の自然条件や社会条件,そして現地政府の政策の検討も重要である。この作業を通じて,そのフードバリューチェーンの強みを最大化し,弱みを打ち消す具体策が導かれると筆者は考えた。本稿では,この検証を試みるべく,ミャンマーでの日本市場向け冷凍野菜生産の主活動と支援活動の強み・弱み,そして,生産加工地の自然条件や社会条件,現地政府の政策等を分析し,その結果を用いて競争戦略を導いた。本事例では,現地の自然条件や社会条件,及び現地政府の政策に沿っていることは競争戦略を考えるうえで重要な条件となっていた。自然条件としては,対象地域は低地で気温が高く葉菜類に高温障害を起こしやすい弱みはあるが,インフラ整備水準や,一農家あたりの農地面積や収入が国内平均より高く,農業労働者を集めやすいなど社会条件が他の地域より整っていた。さらには,現地政府にとってもその雇用創出効果等が魅力であり,政治的なコミットメントが得られている。

収録刊行物

  • 開発学研究

    開発学研究 32 (1), 31-39, 2021-07

    藤沢 : 日本国際地域開発学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ