カンキツ果実の陽光面に発生する黒点病の発生要因と対策

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タイトル別名
  • Studies on citrus melanose occurring specifically on the fruit skin exposed to direct sunlight : Infection timing, factors, and mitigation measures
  • カンキツ カジツ ノ ヨウコウメン ニ ハッセイ スル コクテンビョウ ノ ハッセイ ヨウイン ト タイサク

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抄録

強い日射の当たる樹冠外周部の果実に特異的に発生する黒点病(陽光面の黒点病)の発生時期、発生要因および軽減対策を検討した。第一に、感染時期の特定のため、果実に袋をかけ、その袋を時期別に除去して黒点病に感染させた。その結果、陽光面の黒点病の主な感染時期は9月ごろであると考えられた。第二に、果実の陽光面から日陰面にかけて部位別に黒点病菌を接種したところ、陽光面ほど発病が激しい項向があった。第三に、果実の陽光面および日陰面におけるマンゼブ水和剤の流亡量を調査した。その結果、陽光面は日陰面よりも農薬の流亡割合が大きいことが明らかとなった。以上のことから、陽光面において黒点が多発する要因として、陽光面の果皮は黒点病菌に対する感受性が高くなっているという植物側の要因と、陽光面において農薬が流亡しやすいという残効の要因があると考えられた。次に、防除対策の検討として、マンゼブ水和剤の防除効果を確認したところ、8~9月までの散布により、陽光面の黒点病をある程度軽減できた。さらなる対策として、8月に炭酸カルシウム水和剤を散布したところ、陽光面の黒点病の発生が軽減された。このことから、防除対策としては、秋季までの定期的なマンゼブ水和剤の散布と、夏季における炭酸カルシウム水和剤の散布が効果的であると考えられた。

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