奈良県産スギ材を用いた直張り用無垢防音フローリング材の開発(2)

抄録

前報で報告した防音フローリング材にウレタン塗装および植物系オイル塗装を施し、生活環境を想定した3条件の温湿度下(25℃相対湿度40%、22℃相対湿度80%、25℃相対湿度90%)で調湿した際の寸法安定性、および試験体上に180kgの重量物を設置した際の影響を評価した。調湿によって、含水率はウレタン塗装では8.4~17.1%、植物系オイル塗装では8.3~17.5%の範囲で変動した。含水率の変化に伴い、20℃相対湿度65%の寸法約110mmを基準として、接線方向の寸法は、ウレタン塗装では-1.22~0.71mm、植物系オイル塗装では-1.57~0.81mm変化した。使用環境によっては、施工時にスペーサーを用いるほか、木材の含水率の適切な管理が必要である。また、ウレタン塗装は植物系オイル塗装よりも含水率や寸法変化が緩やかに推移する一方で、反りが発生しやすく、接線方向における最大の反り矢高は0.68mmであった。重量物設置による変化は微小な凹みのみで、割れや破壊は全く生じなかった。重量物を実付近に設置した際、隣接する試験体の浮き上りが確認された。使用時のトラブルを末然に防ぐため、製品の販売時には消費者に取り扱いについて十分に説明する必要がある。

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