新潟県から得られたアサバガレイの形態的特徴およびシュムシュガレイ属魚類の分類について

書誌事項

タイトル別名
  • Morphological characteristics of the dusky sole, Lepidopsetta mochigarei, collected in Niigata Prefecture, with notes on identification of the genus Lepidopsetta species (Short Report)
  • 新潟県から得られたアサバガレイの形態的特徴およびシュムシュガレイ属魚類の分類について(短報)
  • ニイガタケン カラ エラレタ アサバガレイ ノ ケイタイテキ トクチョウ オヨビ シュムシュガレイゾクギョルイ ノ ブンルイ ニ ツイテ(タンポウ)

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説明

新潟県の海域で採捕されたLepidopsetta属魚類5個体について,詳細な測定,観察を行った。Orr and Matarese(2000)が示した鰓耙数,前鰓蓋孔数および横列鱗数の特徴から,それらはアサバガレイL. mochigareiと同定された。中坊・土居内(2013)は,類似するシュムシュガレイL. polyxystraとは,アサバガレイは頬部が円鱗に被われること,両眼間隔に骨質イボ状突起をもった鱗が散在することで区別されるとした。しかし,本標本を観察した結果,頬部の櫛鱗の分布密度や,両眼間隔の鱗上の棘の形状には,個体変異が大きく,これらの形質で両種を識別することは難しいと考えられた。本州日本海からのシュムシュガレイの記録は,1950~70年に,同定根拠や形態的特徴の記載がない種リストで示された記録のみであり,それらの記録がOrr and Matareseが記載したシュムシュガレイL. polyxystraと一致するかどうかは不明である。今後は計数形質を用いた正確な種同定を行い,データを蓄積することで,本州日本海沿岸域におけるシュムシュガレイの分布について再検討する必要がある。

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