ウシのマイコプラズマ感染症

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タイトル別名
  • Bovine mycoplasmosis
  • ウシ ノ マイコプラズマ カンセンショウ

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抄録

ウシのマイコプラズマ感染症,特にMycoplasma bovisは畜産業において最も重要な病原体である。まずM. bovisの病原性について,近年の技術革新により全ゲノム解析が活発に実施されるようになってきており,遺伝子レベルだけでなく,プロテオーム解析からもその病原性因子が明らかにされつつある。次に,M. bovisと宿主との相互作用について,M. bovis感染により炎症促進性サイトカインが白血球,乳腺上皮細胞または滑膜細胞から産生され病態悪化の一因を担っている。また,M. bovisは宿主の細胞死を調整し,さらに,宿主の白血球に免疫疲弊化を惹起させる。治療および予防戦略について,M. bovisの薬剤耐性菌株が日本国内でも分離されており,薬剤の適正使用が求められている。また,M. bovis感染症のリスク要因が疫学的研究により明らかにされてきており,適切な飼養環境のもとで検査による予防対策が重要である。

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