促成栽培イチゴにおける高濃度炭酸ガスくん蒸処理と天敵保護装置「バンカーシート(R)」を併用したナミハダニ防除体系の現地実証

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タイトル別名
  • Field trial test on strawberry against two spotted spider mite (Tetranychus urticae Koch) by using high concentration carbon dioxide and slow-release sachets of predatory mites
  • 促成栽培イチゴにおける高濃度炭酸ガスくん蒸処理と天敵保護装置「バンカーシート」を併用したナミハダニ防除体系の現地実証
  • ソクセイ サイバイ イチゴ ニ オケル コウノウド タンサンガス クンジョウ ショリ ト テンテキ ホゴ ソウチ 「 バンカーシート 」 オ ヘイヨウ シタ ナミハダニ ボウジョ タイケイ ノ ゲンチ ジッショウ

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抄録

いちご生果実の輸出に向け,農薬に替わる防除技術を確立するために,定植前のイチゴ苗に対する高濃度炭酸ガスくん蒸処理と天敵保護装置「バンカーシート(R)」によるミヤコカブリダニ放飼を併用した防除体系を生産現場で実証し,その効果を評価した。イチゴ苗の高濃度炭酸ガスくん蒸処理を2016~2018の3年間(3作),計5回実証した結果,ナミハダニに対する殺虫効果は高かったが,完全な防除効果が得られない場面もあった。高濃度炭酸ガスくん蒸処理苗を本圃施設に定植したIPM区では,3作とも慣行区よりもナミハダニの初発を遅らせることができた。また,1番花の開花後に天敵保護装置「バンカーシート(R)」にミヤコカブリダニパック製剤を装着したセット資材を設置したIPM区と,同時期に2種カブリダニを同時放飼した慣行区とで,ナミハダニの発生密度を比較した。その結果,IPM区のナミハダニの発生密度は3作とも要防除水準を上回ることはなく,安定して低く維持されたが,慣行区の同密度は2016年作と2017年作で要防除水準を上回った。以上の実証結果から,イチゴ苗の高濃度炭酸ガスくん蒸処理と天敵保護装置「バンカーシート(R)」によるミヤコカブリダニ放飼を併用した防除体系は,農薬に替わる防除技術として優れた効果を示すことが示された。

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