日本における循環型農業の産業化 : 環境経済学の視点から

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  • ニホン ニ オケル ジュンカンガタ ノウギョウ ノ サンギョウカ カンキョウ ケイザイガク ノ シテン カラ

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抄録

小論は環境経済学の視点から,循環型農業の原点・理論と産業化について議論を展開し,化学肥料と農薬の大量使用による耕地土壌の疲弊(環境負荷)を軽減するために,循環型農業の産業化を図る必要があると論じる。この循環型農業の産業化は日本で展開できると提案する。日本農業における高齢化,過疎化と若者の土地離れ問題は農業における産業構造の時代遅れと政府が立てる農業政策の傾向に問題があり,それを改革するには循環型農業の産業化が必要である。担い手は1社の政策会社である。その会社による産業構造の再編成と大規模化経営によって達成できる。3R原則と3S循環のもとで家畜飼育畜産業に飼料供給を,野菜と果樹栽培にバイオ堆肥を提供するシステムを作り出す。このシステムを支えるのは全国に散在している原料の自給自足供給(物質条件)とバイオ技術(技術条件)である。このバイオ技術を代表する現代農業技術と原材料供給は日本国内で100%確保できる。要点はこの2つの条件を生かした資金の運用(既存の補助金制度を改革)に合理化に取り組む政策会社の出現である。この政策会社の早期出現を促すために,中国江蘇省蘇州市で行われている循環型農業の実践-生態農業を紹介する。中国流の「政府搭台企業唱戯」という「舞台」をつくって企業に演技をさせるフレームワークを日本ではより完璧なものが創出でき,競争力のある日本農業の生まれ変わりが循環型農業の産業化にかかり,日本における「新農業革命」となる。

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