太田川感潮域浅所における魚類群集の季節変化 : 人工放水路と天然河川の比較

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タイトル別名
  • Fish community in shallow waters of tidal reach of the Ohta River, Southwestern Japan : Comparison between a drainage channel and a natural river
  • オオタガワカン チョウイキセンショ ニ オケル ギョルイ グンシュウ ノ キセツ ヘンカ : ジンコウ ホウスイロ ト テンネン カセン ノ ヒカク

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抄録

2007年3月から2008年2月まで月1回の頻度で太田川水系の2河川(放水路と天満川)の感潮域において魚類相調査を実施した。月ごとの平均水温は8.7℃(1月)-28.5℃(8月)の間で推移した。平均水温の河川間での差は小さく,多くの月において1.0℃以内であった。月ごとの平均塩分は3.3(6月)-20.5(2月)の間で推移した。ほとんどの月において平均塩分は天満川よりも放水路において高かったが,降水の影響を受けた月には両河川の平均塩分は近い値となった。1年間に計144回の曳網を実施し,16科23種以上7,456個体の魚類を採集した。個体数における優占種は,放水路ではビリンゴ,キチヌ,ウツセミカジカ,天満川ではスズキ,ビリンゴ,カダヤシであった。放水路に比べて天満川では淡水域産卵魚(カダヤシ,ウグイ)の個体数が多く,感潮域最上流部に形成される淡水あるいは低塩分汽水域がこれら魚類の生息場として機能することが示唆された。

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 78 (3), 169-175, 2014-08

    東京 : 水産海洋学会

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