非負集計データのための部分和精度に優れた差分プライバシー適用手法二次元化の試み
抄録
本研究では,元のデータベースに含まれる個々のデータの集合体(個票)から,何らかの条件を満たすデータの個数を数えた数値データの集合体であり,さらに,全体的に疎な分布をとるような集計データを対象とする.Dwork らが提案した差分プライバシー基準は,データベースへの問い合わせを行った際に,「ある特定のデータがデータベースに含まれているか否かを問い合わせ結果から判別することが困難である」ことを安全性の根拠とするプライバシー保護基準である.差分プライバシー基準を満たす代表的な手法に Laplace メカニズムがあるが,大規模集計データに適用する場合には,「非負制約の逸脱」「部分和精度の劣化」「疎データの密度急増」といった問題への対処が必要となる.我々は以前,これら 3 点の課題を同時に解消・改善する手法として,「非負精緻化を伴う Privelet 法」を提案した.しかしこの手法は一次元データ系列を対象としており,例えば地理空間上に配置されたデータへ適用する際には,二次元のデータを一次元に変換する前処理と,その逆の後処理を行う必要がある.そこで本研究では,本来一次元データを対象とするこの手法を二次元化する方法を検討している.本稿では,今回構築した実現方法を解説するとともに,一次元方式との比較を通じて,二次元方式の特性評価を試みる.
収録刊行物
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- マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2022論文集
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マルチメディア,分散,協調とモバイルシンポジウム2022論文集 2022 1217-1224, 2022-07-06
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050574721420810112
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- Web Site
- http://id.nii.ac.jp/1001/00219636/
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- conference paper
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- データソース種別
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- IRDB