平日休日の行動パターンの違いに着目した認証手法

抄録

近年のスマートフォンの普及により,個人認証の重要性は増してきている.その個人認証の種類として,知識情報,所持情報,生体情報を用いた認証の 3 つの従来手法が存在する中で近年,スマートフォンやウェアラブルデバイスに蓄積されている人の行動情報を用いた行動認証や,複数の行動情報を利用するライフスタイル認証が注目を集めている.ユーザの行動パターンを利用した行動認証においては,テンプレートに複数のライフスタイルの情報が混ざりこんでしまい,認証精度が低下してしまう.そのため複数のテンプレートを準備することが求められる.生体情報を用いた認証や意識的な行動の情報を用いた認証の研究においては複数のテンプレートが用いられている.一方,ユーザの行動パターンを表す認証要素の一つである Wi-Fi 情報を用いた認証の研究ではそのような研究は行われていない.本論文では,スマートフォンから収集された Wi-Fi 情報から平日と休日の 2 つのテンプレートを作成し認証を行うことで,テンプレートに複数のライフスタイルが混ざってしまい認証精度が低下してしまう問題を解決する最初の一歩の手法を提案する.提案手法を MITHRA プロジェクトで実世界のユーザから収集した実際の行動データを用いて評価した.そして平日のデータを用いた認証の TAR の平均値が 0.926,休日のデータを用いた認証の TAR の平均値が 0.939 という結果を得た.結果をユーザ個別に見ていくと精度が改善したケースもある一方,そうではないケースも存在した.

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