ジェンダーフリー運動を再考する

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タイトル別名
  • ジェンダーフリー ウンドウ オ サイコウ スル
  • Reconsidering Gender-Free Movement

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抄録

20世紀末から21世紀冒頭に存在したジェンダーフリー運動は,世紀の変わり目から活性化したバックラッシュ,ならびにフェミニズム内部からの批判との双方によって勢いを削がれて,今や沈黙状態である。しかもその後も,「ジェンダーフリー」に対する一種の忌避感がフェミニストの間に続いており,運動の性格付けや意義についてもほとんど論じられていない。本稿は,フェミニズム内部からの批判を手掛かりにしつつ,その運動を「ジェンダーに関するアイデンティティの政治」とは異なる,「性別秩序ならびに性別アイデンティティの流動化を目指すことで平等を生み出す運動」としてとらえることを試みる。そして,近代以後の社会編成の大枠つまり「仕事/生活」(あるいは「生産/再生産」)への男/女の配置を変えていくこととジェンダーフリー化との繋がりを考察し,ジェンダーフリー運動を再生させていく必要性と方途を論じる。

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