学習者属性が前置詞使用に与える影響 : 多層的対照中間言語分析の結果をふまえて

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タイトル別名
  • Effects of Learner' Backgrounds on Their Prepositional Use: A Study Based on Multi-layered Contrastive Interlanguage Analysis

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抄録

本研究では,L2 学習者の前置詞使用の問題点を解明し,この問題が学習者のどのような属性によってもたらされているかを調査することで,効果的な前置詞指導への手がかりを探る。具体的には,まず,英語母語話者と比較し,L2 学習者の前置詞使用がどの程度異なっているか調査を行うことで,L2 学習者の前置詞使用の問題点を明らかにする。その後,前置詞使用に関わる学習者属性を特定するため,母語や習熟度などの多面的な属性によってL2 学習者を細分化し,それらを比較することで,どのような学習者属性が前置詞使用に影響を与えているかを調査する。分析の結果,L2学習者は英語母語話者に比べて前置詞を過少使用する傾向があり,限定的な種類の前置詞しか使用できていないことが明らかになった。また,個別的な前置詞使用についても,英語母語話者とは異なり,過少使用の傾向にあることが確認された。これらの結果をふまえ,前置詞使用問題に影響を及ぼす学習者属性の特定を試みたところ,L2学習者の母語や,習熟度,動機づけ,エッセイライティングの指導経験などが前置詞使用に影響していることが明らかになった。これらの結果は,L2 学習者に前置詞指導を行う際に,学習者の属性を配慮する必要性を示唆しており,特に,母語や習熟度,動機づけに応じたアプローチを用い,また,明示的なエッセイライティング指導を行うことが重要であることを示していると言える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050575520345996928
  • NII論文ID
    120006826802
  • NII書誌ID
    AA12387129
  • HANDLE
    20.500.14094/90007026
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    journal article
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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