メソトレキサートによるRA滑膜線維芽細胞の細胞死誘導に関する研究

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  • Anti-rheumatic effect of Methotrexate through Apoptosis of Rheumatoid Synovial Fibroblasts

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関節滑膜に初発する慢性肉芽腫性炎症である慢性関節リウマチ (Rheumatoid arthritis ; RA) は増殖した滑膜組織 (パンヌス) がその病態形成に重要な役割を演じている。免疫抑制剤であるメソトレキサート (Methotrexate ; MTX) は近年, 本邦でも用いられるようになってきたが, その作用機構には不明な点が多い。そこで本論文ではMTXによるRA滑膜線維芽細胞のアポトーシス誘導に関する研究結果をもとに, RA滑膜線維芽細胞の増殖抑制機序を介したMTXの抗リウマチ作用について考察した。まず, RA滑膜線維芽細胞にIL-1βを添加すると濃度依存性に細胞増殖は亢進し, 逆にアポトーシスは抑制された。すなわち, RA関節液中で高濃度に検出されるIL-1βは, 滑膜細胞の細胞増殖とアポトーシス抑制を介して, パンヌス形成に重要な役割を演じている可能性が示唆された。一方, MTXをRA滑膜線維芽細胞の培養系に添加すると, IL-1βとは逆にアポトーシスの誘導と細胞増殖抑制が観察された。これまで, RA滑膜線維芽細胞のアポトーシスにはBcl-2蛋白および Fas 抗原が関与していると報告されているが, 本研究よりMTXはRA滑膜線維芽細胞内のBcl-2蛋白の発現と Fas 抗原発現量を抑制することも明かとなった。すなわち, MTXはアポトーシスを調節する因子であるBcl-2蛋白およびと可溶性 Fas 抗原の発現量を調節する結果, RA滑膜線維芽細胞の増殖を抑制し抗リウマチ作用を発現している可能性が大きいと考えられた。

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