文在寅ケアの成果と課題

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タイトル別名
  • ムン ジェイン ケア ノ セイカ ト カダイ
  • The Result and Problem of Mon Je-in Care

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抄録

2017年5月に就任した文在寅大統領は、同年8月に「健康保険保障性強化対策」(文在寅ケア)をうちだした。この文在寅ケアは、①非給付の解消および発生遮断、②個人医療費負担上限額の適正管理、③緊急危機状況への支援強化の三つを柱として韓国における公的医療保険の機能を強化することを目的としたものであった。本論文は日本ではその内容があまり知られていない文在寅ケアの全貌を示し、その意義について確認を行い、その成果について検証し、韓国の公的医療保険の今後の課題について考察を行った。その結果の概要は以下のとおりである。まず①韓国で公的医療保険が適用されてこなかったMRI、超音波などに公的医療保険が適用されるようになった。さらに韓国において「3大非給付」と称されて医療現場において必須であった選択医療費、上級病室料、看病費の患者負担が廃止または患者負担軽減の方向に改善された。②老人、児童、女性、障害者に対する公的医療保険の給付が強化された。③既存の本人負担上限制の給付水準を引き上げることで、医療費負担による家計の破綻がないようにする改善が実行された。これらの文在寅ケアの成果は韓国における医療環境を大幅に改善し、医療の公共性の確立において歴史的な意義をもつと評価できる。

identifier:2433-9253

identifier:AA12815608

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