スタニスラウス・ジョイスから父への投函されなかった手紙

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  • スタニスラウス ジョイス カラ チチ エ ノ トウカン サレナカッタ テガミ

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抄録

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リチャード・エルマンの『ジェイムズ・ジョイス伝』(以下JJ)に対し、弟スタニスラウスからの情報に依存し過ぎているという批判が、出版直後から在る。病弱でありながら飲酒と浪費の止まぬジョイスは、兄の天才を信じる弟の献身を利用し、感謝が無かった-というジョイス像はスタニスラウスを起源とするものであり、彼の材源に拠ったエルマンは、ゴーマンによる最初の伝記がジョイス自身の校閲の下に書かれたため客観性を欠いているのと同様、スタニスラウスの視点に強く影響されている、というのである。しかし、スタニスラウスからの材源そのものとJJの記述とを直接比較した研究は未だ現れていないように思う。エルマンがJJに使ったスタニスラウスからの材源の主なものは、一、二度しか言及されない小さな著述と、兄の書簡類を別にすれば:

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