伊藤伊にみる1960年代後半から80年代前半の地域有力卸売企業の経営体制

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  • イトウイ ニ ミル 1960ネンダイ コウハン カラ 80ネンダイ ゼンハン ノ チイキ ユウリョク オロシウリ キギョウ ノ ケイエイ タイセイ

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抄録

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本稿で検討の対象とする伊藤伊は,名古屋に本拠を置いたこの時期の日用雑貨の有力中間流通企業であり,現在の株式会社あらた中部支社の前身でもある。伊藤伊は,1970年代以降,多くの卸売企業が小売店への直販を志向するなかで,むしろ従来型の,いわば日本的取引慣行の特徴でもある仲間取引(多段階取引)を基盤に営業を強化し,1980年代半ばには業界内で不動の地位を確立するにいたった。1962(昭和37)年,林周二の『流通革命』が上梓され,学会・業界に大きな影響をもたらした。その論旨は,現状維持に甘んじる卸売企業はその社会的役割を終えて衰亡するというものであった。それから半世紀余りを経過したが,この林周二の「流通革命」論の主旨やその影響についての歴史的検証はいまだに十分になされていない。

収録刊行物

  • 経営論集

    経営論集 62 (1-2), 39-73, 2015-03-31

    明治大学経営学研究所

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