宝洲と無能 -『無能和尚行業記』をめぐって-

書誌事項

タイトル別名
  • ホウ ス ト ムノウ : 『 ムノウ オショウ ギョウゴウキ 』 オ メグッテ

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説明

宝洲槃譚(??元文二年<一七三七>)は、江戸中期の浄土僧である。私が宝洲に興味を引かれたのは、宝洲が関わった四種の東北浄土僧伝の存在であった。刊行順に書名を掲げておくと、以下の四著である。一、宝洲著『無能和尚行業記』二巻二冊 享保六年刊(一七二一)二、伝阿記・宝洲評『孝感冥祥録』二巻二冊 享保八年成立(一七二三)・同一九年刊(一七三四)※宝洲評を削除し、挿絵を大幅に加えた改変本が、天明二年刊(一七八二)の『孝子善之丞感得伝』二巻二冊である。三、月泉編・宝洲評『待定法師忍行念仏伝』二巻二冊 元文元年刊(一七三六)四、宝洲著『貞伝上人/東域念仏利益伝』二巻二冊 元文二年刊(一七三七)当初私は、『待定法師忍行念仏伝』(以下、『待定伝』)を読み、待定のすざまじい苦行に衝撃を受けて、小論を書いた。その過程で評注者の宝洲に注意が向くようになったのである。

収録刊行物

  • 文芸研究

    文芸研究 128 27-50, 2016-02-29

    明治大学文学部文芸研究会

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