口腔健康教育ツールの開発と精神科在宅療養者の口腔保健行動の変化

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a Tool for Oral Health Education and Change of Oral Health Behavior in Psychiatry Home Care Patients
  • コウコウ ケンコウ キョウイク ツール ノ カイハツ ト セイシンカ ザイタク リョウヨウシャ ノ コウコウ ホケン コウドウ ノ ヘンカ

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説明

本研究は精神科在宅療養者を対象とし、口腔歯科保健に関心を持ち保健予防行動を目指した口腔健康教育ツールを開発し、対象者の口腔保健行動の変化を明らかにすることを目的とした介入研究である。 口腔健康教育ツールは、質問調査と健康教育が同時にできる一体型アプリを搭載したタブレットを用いて、口腔内の細菌増殖やブクブクうがい、および正しい歯磨き方法の動画を作成した。訪問看護スタッフにタブレットの使用方法を研修後、調査を初回訪問面接と2か月後に訪問面接で実施し、その結果から対象者の保健行動を比較し分析した。 対象者の口腔保健行動の変化は、歯磨き回数は介入前後で変化はなかったが、朝と夜の時間帯が増加した。また、歯の健康で良好と回答した者は介入前よりも介入後が有意に増加した(p=0.029)。間食回数は介入前より介入後に有意に減少した(p=0.027)。口腔内自覚症状は、気になることは無しが6.5% (介入前)から45.2%(介入後)へ増加し、歯茎の出血は51.6%(介入前)から3.2%(介入後)へ減少した。対象者は動画視聴により歯の健康の重要性を認識して改善し、今後も継続指導を望むなど、口腔保健に対する意識が高まったと考える。 今後の課題は、訪問看護の利点を活かした、対象者が自発的に学習できるステップアップ方式の継続型ツールを開発し、訪問看護スタッフが参加できる歯科口腔保健研修機会の提供が必要である。

収録刊行物

  • 看護と口腔医療

    看護と口腔医療 6 (1), 22-37, 2023-01

    福岡看護大学看護学部 情報図書委員会

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