小学校における「からだの学習」に着目した持久走の授業

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タイトル別名
  • Endurance running class focusing on body learning in elementary school
  • ショウガッコウ ニ オケル 「 カラダ ノ ガクシュウ 」 ニ チャクモク シタ ジキュウソウ ノ ジュギョウ

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説明

本研究の目的は,第1に,「からだの学習」に着目して,実技学習と理論学習を重ね合わせた持久走授業を2つの小学校の6年生に実践し,「持久走中にからだの中で何が生じているのか」についてどんな認識が形成されたかを明らかにすることである。また第2に,その際に,①教室での「からだの学習」を行った後に持久走の実技学習を行った学校の場合と,②実技学習と重ねて「からだの学習」を行った学校の場合との,認識の異同を検討することである。 その結果,次のような知見と今後の課題が得られた。 1.「からだの学習」に着目して持久走授業を行うことで一定程度の認識が小学生に広がった。ここに,実技学習と理論学習を重ね合わせた持久走の授業の成果が見られる。 2.両校を比較すると,教室での「からだの学習」を行った後に持久走の実技学習を行った学校の方が認識の広がりと深まりが見られた。このことから,体育の授業の土台として教室での「からだの学習」を行うことには意義があると考えられる。 3.「ペースを変えずに走る距離を長くしていくと心拍数はどうなるか」という問いに対しては,ペースと距離と心拍数の変化との関係についてのさまざまな体験的認識が得られた。しかし,それらが児童全体で共有されるには至らなかった。今後,特に後者の問いに対する問い方や検証のしかたを再検討する必要がある。 4.「からだの学習」に着目して持久走授業を行ったことで,児童の現象レベルでの認識とそのつながりについては理解が広まり,深まった。しかし,それがなぜ生じるのかという科学的なしくみの理解には至らなかった。そのためには,より高度な持久走の科学を「からだの学習内容加える必要がある。ただし,それは小学校6年生にとってはまだ学習することが難しく,将来の課題である。

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