シンクロトロン光照射が輪ギクの花色変異に及ぼす影響

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  • Effects of mutation induction for flower color of chrysanthemum by synchrotron radiation
  • シンクロトロン ヒカリ ショウシャ ガ リン ギク ノ ハナイロ ヘンイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

シンクロトロン光照射による突然変異の誘発が,白輪ギクの作出に利用可能であるかを検討するため,淡赤色輪ギク2系統および淡黄色輪ギク2系統にシンクロトロン光(白色光,ピーク強度4keV,吸収線量11~22Gy)を照射し,花色変異に及ぼす影響を調査した。その結果,淡赤色系統から得られた突然変異個体は,濃色化したものが7個体,淡色化したものが7個体,白色化したものが5個体,淡黄色系統からは濃色化したものが11個体であった。得られた花色変異個体は色素組成が変化しており,淡赤色系統の変異個体ではアントシアニンの増減,淡黄色系統の濃色化個体ではカロテノイドの増加が認められた。また,突然変異誘発時に発生するキメラの解消方法として親株摘心法を実施したが,供試した全ての系統でキメラ株が出現し,十分なキメラ解消効果は得られなかった。以上より,シンクロトロン光照射による突然変異誘発は,白輪ギクの作出に利用可能な手法であり,この手法を用いる場合には,淡赤色輪ギクを用いること,キメラ解消のために親株摘心法に加え花弁培養法など他の手法の併用を検討する必要がある。

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