吸光光度法における吸光度の特性と分析条件が検量線に与える影響

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  • Characteristics of absorbance under different analytical conditions in absorption spectrophotometry

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水質汚濁防止法の規制項目のうち,吸光光度法を用いるシアン,六価クロム,窒素,りん,ふっ素について,JISで規定された諸条件が変化した時に測定結果がどのような影響を受けるかを確認する目的で,吸収曲線の特徴や,測定条件が変化した時の吸光度の変化等を検討した。吸光光度法によるシアン,六価クロム等の5項目について吸収曲線を調べると,測定波長が極大吸収ではない項目があった。また,検量線の直線性を調べた結果,シアン,六価クロム,窒素は吸光度が測光レンジ上限である5Abs付近までは直線性があったが,りん及びふっ素は高濃度域で直線性からはずれた。さらに,発色試薬添加後の吸光度が安定するまでの変化,それ以後の吸光度の変動を調べると,各項目の吸光度は,発色試薬添加後に上昇し,安定するまでの時間は項目により異なった。安定後,一定時間の間,吸光度の変動は小さかった。六価クロムについては,高温で発色させた場合,吸光度が安定した後,急激に吸光度の低下がみられ,検量線の直線性も失われた。また,年間を通じて実験室の室温は20℃前後で変動が小さかった。各項目の検量線の決定係数,回帰直線の傾きについて,測定ごとの変動は小さく,各項目とも変動係数は0.07以下であった。

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