大粒で醸造適性に優れる醸造用水稲新品種「夢ささら」の育成

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  • オオツブ デ ジョウゾウ テキセイ ニ スグレル ジョウゾウヨウ スイトウ シン ヒンシュ 「 ユメ ササ ラ 」 ノ イクセイ

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抄録

「夢ささら」(系統名:栃木酒27号)は,栃木県農業試験場において吟醸酒・大吟醸酒に向く酒造好適米の育成を目標として,醸造適性の高い「山田錦」を母に,イネ縞葉枯病抵抗性を有し大粒で心白発現が良好なT酒25を父として2005年8月に人工交配した酒造好適米品種である。「夢ささら」は,「山田錦」より出穂期が5日,成熟期が7日早く,「あさひの夢」より出穂期が3日早く,成熟期が4日遅い「やや晩生」の粳種である。「山田錦」に比べて稈長は短く,穂長はやや長く,穂数は少ない。玄米千粒重は同程度で,収量性は同程度である。草型は穂重型であり,玄米外観品質は「山田錦」と同等からやや優れ,大粒で高度精白適性が高い酒造好適米である。耐倒伏性が強く,イネ縞葉枯病に抵抗性を有するため安定して良好な登熟が得られる。また心白発現率が高く醸造適性に優れる。葉いもちほ場抵抗性はやや強,穂いもちほ場抵抗性は強であり,いずれも「山田錦」より強い。白葉枯病ほ場抵抗性は中である。穂発芽性はやや易で「山田錦」並である。障害型耐冷性は強であり,「山田錦」よりやや強い。「夢ささら」は,県内の早植栽培地帯に適する。

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