音声解析を用いた高高度飛翔型希少コウモリ類の分布調査と信頼性

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  • Rare high-altitude flying bat distribution survey and their reliability based on acoustic analysis

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抄録

長野県に生息するコウモリ類19種のうち13種は県のレッドリストに記載されているが,その希少性を評価す るための生息状況調査はほとんど行われていない.本報告では,長野県レッドリストで絶滅危惧Ⅰ B 類に指 定されている高高度飛翔型コウモリ3種,ヤマコウモリ(Nyctalus aviator),ヒナコウモリ(Vespertilio sinensis),クビワコウモリ(Eptesicus japonensis)の分布を音声解析により明らかにした.本研究では,これ ら3種の既知のねぐらにおいて出洞時の探索音声(モデル音声)をTime Expansion 型バットディテクターを 用いて録音したものを基準音声として音声解析を行い,県内37ヶ所で採集した1,078コールについて種判別を 試みた.さらに,クラスター分析,正準判別分析および機械学習により種判別の信頼性について検討した.そ の結果,クラスター分析を使った集団間の距離による判別評価でヤマコウモリ10ヶ所,ヒナコウモリ7ケ所お よびクビワコウモリ7ケ所を新たに確認した.また,正準判別分析と機械学習による判別率はいずれの種も 90%以上と高かった.以上から,これら3種について音声解析を用いて高精度に分布調査を行うことが可能で あることが示された.

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信州大学農学部AFC報告 21 : 1-14, (2023)

収録刊行物

  • 信州大学農学部AFC報告

    信州大学農学部AFC報告 21 1-14, 2023-03-31

    信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター

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