劇音楽の教材研究について―物語の結末に着目して―

書誌事項

タイトル別名
  • On Teaching Material Research of the Dramatic Music:Focusing on the Ending of the Opera

抄録

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紀要論文 / Departmental Bulletin Paper

劇音楽の価値は、作品全体を観終えた時、鑑賞者の心に残る感情の中に見出すことができる。歌劇作品では、オーケストラの序奏部分から開始され、幕ごとにドラマが展開し、終幕の結末に向かって物語が進められる。そして、その音楽は物語に合わせて、ソリストの独唱やアンサンブル、多様な合唱や器楽による間奏曲などが効果的に配置され構成されている。このようにそれぞれの音楽が一つの結末に向けて連なっていることから、作品中の各音楽は結末がどのようになっているのかに大きく関わっているといえる。このことから、作品全体を通して描かれている登場人物の性格や心の動きを表現している音楽の内容を理解する上で、物語の結末に注目することが重要になる。作品の結末がどのようになっているのか意識することにより、作品全体の理解を一層深めることができるようになる。 そこで、ロッシーニの歌劇《タンクレーディ》を例に、この観点から作品について考察した。

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