防災・減災につながるワークショップの開発と実践 : 対象を小学生、災害の想定を風水害として

書誌事項

タイトル別名
  • Practical Development Workshops Inducing Disaster Risk Prevention and Reduction : Focusing on Wind and Flood Disaster Workshops for Elementary School Pupils

説明

本研究は、自分たちの住んでいる地域の実態を把握し、災害のリスクを自分自身のこととして意識できるようなワークショップの開発を行うことを目的としている。また、実際にワークショップを実施し、参加者に防災の基本概念である自助・共助・公助の力の向上と連携を図るとともに、開発したワークショップの有効性の検証を行ない、汎用性のあるワークショップのあり方を検討する。研究方法は、防災・減災ワークショップの開発、実施、有効性の検証である。具体的には、開発は、対象を小学生、災害の想定を風水害とし、対象者の発達段階に合わせた内容と手法の検討、実際の災害時を想定したマイ・タイムラインの作成、家庭や地域社会の防災力の向上にもつなげる、視点で行った。実施は、鹿児島市内の小学校にて2021年7月30、31日に実施した。有効性の検証は、ワークショップの参加者へのアンケート調査、講座を担当した機関へのヒアリング調査を行った。  ワークショップの開発を通して、鹿児島市からは情報を発信するという視点から、気象台からは災害を予測するという視点から、日本赤十字社からは災害時の救護や対応を行うため知識を活用するという視点から、内容と手法の検討を行うことができた。これらの内容や一連の流れは、他の市町村や災害種、対象者での応用の可能性を見出せた。ワークショップの実施を通して、行政ならびに気象の専門家とかかわることで、公助の取り組みを理解するとともに、安全で安心な社会づくりに貢献する意識や態度、職業観も培われていた。ワークショップを実施する中で、講座を担当した各機関の新たな連携や児童と地域住民の連携も生まれた。ワークショップの有効性の検証を通して、参加者、講座担当者からは、一定の効果と汎用性を確認することができた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ