納税者の視点から見た日本の租税法に関する基礎的研究(Ⅲ)

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タイトル別名
  • A Basic Study of the Japanese Tax Laws Act from the Viewpoint of the Tax Payer (III)
  • ノウゼイシャ ノ シテン カラ ミタ ニホン ノ ソゼイホウ ニ カンスル キソテキ ケンキュウ(3)

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説明

本研究(Ⅲ)は,Rawlsの“A theory of justice”から析出した3つの公準(Postulates)を出発点とする。因みに,Postulatesというものは,理論構築の前提となるものであり,その存在について理論的な証明を不要とするものである。一般には租税法に共通するBasic Principlesとして説明されるものであるが,筆者はこの基本原則を公準として捉え,公準から租税法に関する諸原則が理論的に導かれるという考え方を採用する。第6章では,租税法理論の前提としてのTax JusticeとPostulatesの関係性を考察する。租税法の目的はTax Justiceの実現であり,正義の目的は国民の幸福追求権を護ることである。租税正義から納税者主権主義が導かれる。正義には形式的な側面と実質的な側面があり,形式的な正義から租税法律主義,実質的な正義からは租税公平主義の公準が導かれる。第7章では,租税法律主義(Tax Legalism)の公準について考察し,この公準から導かれる納税要件等法定主義の原則と税務行政の合法律性の原則という2つの基底的な原則の内容を明らかにする。第8章では,納税者主権主義(Taxpayer sovereignty principle)の公準について考察し,この公準から導かれる租税民主主義の原則と租税能率主義の原則について明らかにする。第9章では,租税公平主義(Tax equity principle)の公準について考察し,この公準から導かれる応能負担の原則と実質所得者課税の原則について明らかにし,課税ベースの問題についても論及する。第6章から第9章の構成は,次の図のとおりである。

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