ネットワークサーバにおける多重化I/Oの実行間隔制御による性能向上手法

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  • ネットワーク サーバ ニ オケル タジュウカ I O ノ ジッコウ カンカク セイギョ ニ ヨル セイノウ コウジョウ シュホウ

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抄録

Unix上のサーバプログラムなどでネットワークI/Oを多重化するのによく用いられるselect( )やpoll( ) (多重化I/O)には,サーバ負荷の増加に対する性能のスケーラビリティに欠けるという問題がある.従来の解決手法は,これらの関数におけるソケットテーブルの走査を廃止し,特別なイベント通知機構を別途設けるものであった.しかし,これらの手法は,オペレーティングシステムの改造が必要であったり,プログラミングモデルの変更を要したりするため,導入コストが高いという別の問題がある.多重化I/Oにおいて真に問題なのは,ソケットテーブルの走査そのものではなく,多重化I/Oがそのイベント駆動的な処理構造により,必要以上に呼び出されてしまうことである.そこで本論文では,多重化I/Oの呼び出し間隔を制御することで,サーバの性能を向上させる手法を提案する.実際にWebサーバアクセラレータに本手法を実装してベンチークテストを行った結果,スループットで11?25%の向上が見られることが判明した.また,サービス遅延時間についても,同時ソケット数に応じて挙動が変化するものの,大きな改善が見られた.また,本手法はselect( )やpoll( )を用いた従来のプログラミングモデルを踏襲するため,適用コストが非常に小さいという特長も持つ.

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