藤子・F・不二雄による“劇画” ――「劇画・オバQ」の解釈の試み

書誌事項

タイトル別名
  • フジコ ・ F ・ フジオ ニ ヨル"ゲキガ" : 「 ゲキガ ・ オバ Q 」 ノ カイシャク ノ ココロミ
  • Fujiko・F・Fujio’s Expression of “GEKIGA”- an Interpretation of Gekiga Oba-Q

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説明

本論文では、藤子・F・不二雄の短編「劇画・オバQ」を扱いつつ、彼がこの作品において描こうとした「劇画」的なものとは何であるかという問題についての考察が行われる。そして、「劇画・オバQ」は、子どもの頃の正太の生きていた世界と成人した正太の生きる世界というこのふたつの異なる世界線がある時点で交差し、しかしやがて離れていくという、そのような短編であることと、「劇画・オバQ」における「劇画」は、正太の生きる現実の世界であり、Q太郎の登場は、正太の生きる世界線を反証的に浮かび上がらせていることを示す。その上で、誰かによって物語られることはないどこにでもありそうな、何も起きることのなさそうな日常が、この作品において「劇画」として描かれていることを示す。

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