日本の福祉基盤(上) 人々の困り方と支え方

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  • Institutional Basis of Social Welfare System in Japan

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抄録

人は日常生活の中でいろいろな困り方をする。そのうち金銭問題と健康問題(健康が回復し得ない場合はケア問題)が大きな比重を占めることに異論は少ないだろう。私生活上の問題解決は,自由主義社会では自己責任に委ねられる原則ではある。しかし,連帯の精神による社会的共助・国家的公助が求められる場合がある。その際,「金銭給付を内容とする所得保障」と「ケア給付を内容とする介護福祉」という2つの範疇が経験的に区別される。本稿は,第1に,この2つの分野を前提として日本の福祉制度を一望俯瞰する包括的視点を提起する。その視点から第2に,高齢者,障害者,子ども,低所得者等の要支援者を対象とする年金,生活保護,社会手当,介護保険,障害福祉,児童福祉など多岐にわたる福祉制度の構造と機能を体系的に分析する。そして第3に,低成長経済の下での少子高齢化とパンデミックの脅威を与件とするこれこれからの日本の福祉の課題を整理するとともに若干の展望を試みる。(著者抄録)

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